歌留多一族 :一族史


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日付 出来事
1022年 4月 【黒石】
冴影さんは、もうあたしの番かい、って言ってました。……つまり、次の交神は俺だもんな。確かに早い。なるべく強い神様と交神して強い子を残したいけど、半分は俺の遺伝だからちょっと心配……いやいや!弱気にならないって、決めたんだ。

【錦朗】
な〜るほど。確かに力が入らねぇ。とうとうお迎えが来たってか、へへへ。遺言なんて……そうだなぁ……。己の限界に挑めよ、若い衆。武芸は一生、己との戦い。昨日の自分よりも強く、ほんの小ちゃなことでいい。ぶっ倒れるまで戦うがいい。『己と戦えなくなったら、さっさと消えるだけよ』

【踏架】
私、父さんより強くなんて、なれる気がしないよ。でも次世代の私は父さんを越えなければならないんだね……。ありがとうございます。譲り受けたこの『龍田川』大切にします。この剣を鍛えられること、誇りに思います。私も、強くなります!
この月の思い出
1022年 3月 【踏架】
もうバッチリ元気になったので、戦線復帰!さらに、ご覧あれっ!『真空源太斬』も復活!初代沢淨様のお父上が創作した奥義らしい。早速使っちゃってます!父さん見ててくれたかなぁ。最近すっかり老け込んで、あんまり元気ないのよね……。
この月の思い出
1022年 2月 【冴影】
二月は、泰聖、黒石、私の三人で九重楼の様子見に行きました。……どうやら黄川人の復活で、鬼どもが凶暴になっているみたい。いいえ、本来の力を取り戻したに過ぎないのだけれど。あの意味深なセリフ、“七本の髪の毛”っていったい……。

《憂山について》
自然に暮らし、俗世を離れた悠々自適で達観した視点を味わえる歌ですね。この達観っぷりを『憂山』という名前に込めてみました。 骨接ぎが得意というのは、風変わりですね。涼しい顔して自分の肩をガコンと治していそうです。「問題ない」とか言って。
この月の思い出

この月に誕生した一族

憂山
1022年 1月 【踏架】
この黄川人ってのが悪いやつなのね……。よーし、強くなるぞー!がんばれわたし!このために二ヶ月も訓練したんだもの、父さんの奥義も披露しなきゃね!張り切って当然……っと、きたきた!赤い火がたくさん!これはお宝大漁の予感だよ!

【黒石】
……討伐隊をお出迎えしたら、錦朗さんが気絶した踏架ちゃんを背負っていて、赤い火に夢中で気づいたら迷宮の奥だったって。そこには強敵が……錦朗さんの奥義でも倒せない強敵に遭遇したと……。幸い、死地は脱したようで、なによりです!

【雪峯】
死ぬのが怖くない、なんて言えば嘘になるけど、あの世でお母様や大虎、それに真さんにも会えると思ったら、楽になるね。……私が居なくても、あんた達なら大丈夫よ。だから悲しい顔はやめな。涙で送られるのは辛いんだよ。ほら、錦朗……、『せっかく化粧したのにあたしの顔、濡らすんじゃないよ。……くすぐったいって』
この月の思い出
1021年 12月 【冴影】
……行ってくる、ってその一言だけ。そっけないの。……人前では普段通りにしているつもりなのよ、あの人は。周りに迷惑かけまいとして、無駄に頑張ってる。一人で抱えて。泰聖のせいじゃないのに……。女神様に喝入れてもらったらいいわ。
この月の思い出
1021年 11月 【錦朗】
一年前と変わってねぇな、大江山。だけど俺は違う。道中で編み出したこの奥義、『疾風剣錦朗』。石猿田衛門で試し斬らせてもらったが……な〜るほど、これなら冴影ちゃんにも、遅れをとらねぇかな。……さてと、いくぜ朱点。覚悟しやがれ。

【泰聖】
……朱点さえ倒せば、平和が訪れると……。倒した瞬間、恐ろしい違和感があった、でも、まさかこんなことになるなんて……。災厄が収まるどころじゃない、京のあちこちで不審な襲撃があったらしい。今、町の警護隊が向かってる。……はは、ちょっと休ませてくれ。一人に……してほしい。

《踏架について》
大江山にて朱点討伐という一大決戦に赴かねばならぬ父、錦朗の心情に寄り添えば、この歌はピタリとはまることでしょう。訓練期間で大江山に同行できなかったというエピソードを踏まえてこの歌を、歌中より『踏架』の字を引用しました。『架』は橋の言い換えですね。

やはりこの顔グラからは元気発剌といった印象を受けますね。女剣士としては、祖母の咲良とはまた違った雰囲気を備えています。父の帰りを待つ間の訓練は雪峯につけてもらいました。無事をひた祈る雪峯と、まだ何も知らない純真無垢な踏架。波乱の人生の幕開けです。
この月の思い出

この月に誕生した一族

踏架
1021年 10月 【冴影】
片羽ノお業を討伐。鬼の戯言と思っていたけれど、何かを訴えかけているような……。ううん、今は余計なことを考えてはダメ。ありったけ技を磨くんだ。連弾弓天山も、以前よりずっと上達している。もっと強くなれる。見ていてね、父さん。
この月の思い出
1021年 9月 【黒石】
今年は大江山、いや、朱点閣を目指すらしい。へへっ、足を引っ張らないか今から心配で心配で……。だって、考えたくはないけどさ、討ち死にも有り得る戦いだぜ、怖いさ。……錦朗さんは子供を残して出陣するって。強いよ、あの人は……。
この月の思い出
1021年 8月 【錦朗】
母ちゃんと違って、戦いの中にも美しさが云々、なんてことは特に意識しちゃいないが、試合で見せ場を作るのは難しいな。黒石の初陣だったから、隙なく倒すのは、ま、悪いことじゃあねぇわな。……イツ花さんは、別のことで楽しそうだな。
この月の思い出
1021年 7月 【冴影】
……いくら元が人だからって、鬼のうちは鬼。所詮は情に訴える作戦にすぎない。奴らを殺して、あたしたちは強くならなくちゃいけないんだ。躊躇う必要なんてない。……って聞いてましたか?人の話!お二人共、大事な局面ですよ!仙酔酒ー!
この月の思い出
1021年 6月 【泰聖】
白骨城は亡者の声が犇めき合い、精神が参りそうになる。大江ノ捨丸……彼も元は人だったという。神はなぜ彼らを救えないんだ?こんなにも叫んでいるのに。何度倒されても成仏できないなんて、どれほど苦しいだろう。……これもまた雑念か。

《黒石について》
色合いから連想してこの歌が真っ先に浮かびました。水に濡れて黒く染まった沖石から『黒石』です。風評が面白いですね。生まれた時から鍛錬に追われる彼らの知恵は、誰から教わったのか。はたまた自分で発見したものか。歳上二人の緊張感をうまく解けるといいですね。
この月の思い出

この月に誕生した一族

黒石
1021年 5月 【冴影】
……父から奥義を継承しました。『連弾弓天山』。試しに射ってみると、手を叩いて感激していました。お祝いだとかいって振舞ってくれたさくら鍋が美味しかったな……。あたしも手伝うから、泰聖たちにも作ってあげましょうよ、父さん。

【天山】
死んだら……あの世で当主に逢えるかも知れんな。親父にも……。満ち足りた人生だったと、今なら言える。当主の為に生き、当主の為に戦った。大虎という愛称をくださったのも、当主だった。一緒に戦った日々、なんとも幸せな人生であった。『生まれ出でたことに恨みはなく、生きたことにも、とりたてて悔いはなし……』
この月の思い出