チェシャの血は紅く:竜元 初代当主を表示する


鹿島 中竜
初代当主

竜元

名前 竜元 (リュウゲン)
職業 弓使い
生年月日 1018年 10月 〜 1020年 6月(享年1歳8ヶ月)
メモ 初代当主の第三子。
後に『始祖の五兄弟』と呼ばれるはじまりの子供達の次男であり、末代に至るまで弓の道を追究し続けた『竜家』の始祖。

父君である水神・鹿島 中竜が交神の際に願った『元気な子が生まれますよう』という願いから『元』と、中竜の『竜』の字を連ねて名付けられた。

身長は165cm。
姉より僅かに背が低かった事、童顔気味であった事を密かに気にしていたという。

父・中竜の願い通り、死ぬまで風邪一つ引かなかった丈夫で元気な子として誕生する。
中竜が下位の神であった事もあり、生まれついての素質自体は姉や後に生まれた弟達に比べて奮わなかったが、それを悲観する事は無く、むしろ姉や弟達との差を努力で埋めようと鍛練を欠かさなかった努力の天才。
事実、息子の竜慈にバトンを手渡すまで、彼の放つ矢は鬼を射殺し続けた。

性格は根っからの武人肌であり、厳格で生真面目な孤高の武士。
出陣の際には優れた洞察力で迷宮や鬼の特質を良く捉え、母や兄、姉といった隊長らに的確な進言を寄越した。
そうした点から兄や姉からは非常に頼りにされ、やんちゃな弟達には手を焼きながらも良く見守った、始祖の五兄弟の扇の要とも言うべき存在だった。

なお、他のきょうだい達や母が黄川人に信頼を寄せる中、彼だけは『あの目がまるで人を欺いて嗤う蛇のよう』と黄川人を警戒していた。
彼が抱いた警戒は、彼の曾孫の代にて最悪の形で現実のものとなる。

そんな堅物な彼だが、入浴時間が非常に長く、一度湯船に浸かったら一時間以上出てこない事はザラであり、その点だけはきょうだいを困らせたり、からかわれたりしていた。

息子・竜慈が自分と正反対な明るく朗らかなやんちゃ少年である事に困惑を隠せなかったが、それ以上に、父・中竜の角が息子に引き継がれた事を喜び、密かに羨んでいた。
持ち前の厳格さから、息子にも妥協を許さず非常に厳しく接してきた竜元であったが、息子の事は確かに愛しており、長風呂好きという共通点から、風呂では日常での厳しい面を忘れ、優しく朗らかな父として息子と長く語らっていた。

息子の初陣の帰りを待ち、息子が弓使いとして立派にやって行ける事を見届けた後、強く厳格な竜は遂に死に臥せた。
鬼斬りの家に生まれた以上、戦えなくなったら潔く去らねばならぬと考えていた彼は、通夜も葬儀も一切いらぬと言い切り、潔く世を去った。
そんな叔父の潔い最期の姿は、勇永に大きな影響を与える事となった。


竜慈